2012年8月16日木曜日

蝶の異常に関するヤブロコフ博士の見解

東京電力福島第一原発事故の影響により、福島県などで最も一般的な蝶の一種「ヤマトシジミ」の羽や目に異常が生じているとの報告を、大瀧丈二琉球大准教授らの研究チームが英科学誌「Nature」で発表しました。

The biological impacts of the Fukushima nuclear accident on the pale grass blue butterfly
http://www.nature.com/srep/2012/120809/srep00570/full/srep00570.html

この研究結果については、人間には当てはまらない、人間や動植物にとっても大変重要な意味合いを持つ、など様々な見解があります。そこで、ロシアのアレクセイ・ヤブロコフ博士にメールでお伺いしてみました。

ヤブロコフ博士は、ロシア科学アカデミーのメンバーで、生物学博士であり、生態学研究者です。1986年のチェルノブイリ事故当時、ゴルバチョフ書記長のアドバイザーを務め、ボリス・エリツィン政権下においては、ロシア連邦安全保障会議の環境安全委員会の委員長を務めました。ロシアのグリーンピース設立者でもあります。また、“Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for People and the Environment"  「チェルノブイリ:大惨事が人びとと環境に及ぼした影響」の著者でもあります。 http://www.strahlentelex.de/Yablokov%20Chernobyl%20book.pdf

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メールをお送りしたところ、お返事を下さいましたので、下記に和訳と共に掲載いたします。


基本的な生物学的法則というものがあります。もしも何らかの要因が何らかのレベルで突然変異や奇形(変異原性か催奇性)と言う結果をもたらしたのなら、そのレベルでのその要因は、いかなる生物に対しても明らかに危険です。原子力発電所周辺での昆虫の突然変異は、こちらでご覧いただけるように、コーネリア・へシー=ホネガーによって描写・記録されています。
http://www.wired.com/magazine/2010/04/pl_arts_mutantbugs/

現在、福島の蝶に突然変異や奇形が見つかっていると言う事ですが、これは疑いなく、人間にとって良くない印と言えます。


英文
There are fundamental biological laws:  if some level of any factor resulted in mutations or malformations (mutagenic or teratogenic), the factor at that level obviously is dangerous for ANY living-being.  Insect mutations around nuclear power plants have been well depicted and documented by Cornelia Hesse-Honneger as seen here: http://www.wired.com/magazine/2010/04/pl_arts_mutantbugs/

Now Fukushima butterflies are found with mutations and malformations:  this is undoubtedly a bad mark for human also.


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