2013年4月14日日曜日

日本における乳児と新生児死亡率  アルフレッド・ケルプライン




アルフレッド・ケルプラインは、ドイツの物理学者でチェルノブイリ事故後の欧州諸国における出生率、乳児死亡率、先天性奇形などのデータを統計学的に分析してきた。


福島事故後の日本における出生率や乳児死亡率の変化をチェルノブイリ後の変化と比較した論文の和訳は下記のリンクでご覧頂ける。


福島事故後の日本での乳児死亡率


福島原発事故から9ヶ月後に日本で生産(せいざん)率減少



先日、福島県を含む日本での乳児死亡率と新生児死亡率の統計グラフを送って頂いたので、簡単な説明と共に記載する。


*****
ケルプラインのメールの抄訳:


日本の厚生労働省のウェブサイトの乳児・新生児死亡率のデータから、その年の基準である1月を除いた毎月ごとにダミー変数(注)を用いて季節的変動を考慮した上で、ロジスティック回帰分析をした。2011年12月の増加はさらにダミー変数を用いて推定された。


図は、2006年1月から2012年10月のデータに基づいた、日本(福島県を含む)における乳児・新生児死亡率の長期的傾向である。(縦の線は2011年3月の福島原発事故の時期を示す。)いずれも、2011年12月に顕著な増加を示している。


上のグラフ:死亡率の傾向線
下のグラフ:死亡率の傾向からの逸脱(標準化残差単位において。点線は2つの標準化残差の範囲を示す。)


*****


乳児死亡率(生後1年以内の死)


2011年12月の乳児死亡率は、2006年1月から2012年10月の傾向から予期される死亡率よりも20.4%(P=0.0106)増加した。





新生児死亡率(生後4週間以内の死)


2011年12月の新生児死亡率は、2006年1月から2012年10月の傾向から予期される死亡率よりも24.7%(P=0.0416)増加した。




注:ダミーへんすう【ダミー変数 dummy variable】
擬変数と訳されることもある。計量経済学では,生産量のような定量的に測定された値を示す〈実変数〉のほかに,大規模なストライキの有無や従業員の性別のような数量的に表現できない定性的,属性的なものを分析する必要がある。定性的,属性的な要因を計量経済モデルに取り入れる目的で作られた特別な変数がダミー変数で,通常0または1の値をとる。たとえば,戦時と平和時の消費関数を Ct=α1+β1Yt+εt ……戦時  Ct=α2+β2Yt+εt ……平和時 とする。(世界大百科事典 第2版より)



日本における乳児と新生児死亡率  アルフレッド・ケルプライン ダウンロードリンクはこちらです。https://docs.google.com/file/d/0B68f83tqq7QuWGhCTXIwQXo0UEk/edit?usp=sharing

0 件のコメント:

コメントを投稿